Black Cat




何でいつも放課後になると、アナタは応接室にやってくるんだろう。



…別に呼んでもいないのに。




ただソファーに座ったり、窓から外を眺めたり
応接室に置いてある新聞を読んでいたり…(第一日本語解る訳?)
風紀の仕事中の僕に話かけたり、殆ど暇人みたいに過ごしてる。




今日も放課後にやって来て、いつも座ってるソファーに腰をかけていた。




「なぁ、恭弥」
「どうしたの?」




ディーノは、ソファーの背もたれに寄り掛かりながら僕を呼んだ。


仕事中の手を止めて下を向いていた顔を上へ上げると、ディーノが笑顔で僕を見ていて…




「恭弥ってさ…」
「…なに」




「黒猫だよな、やっぱ」



「は?」



いきなり何を言い出すと思えば、僕が…黒猫?



「いやー…皆をさ、動物に例えてたら、恭弥は絶対に黒猫だろうなぁーって思ってさ」
「…黒猫、ね」
「なぁ恭弥、オレは何だと思う?」



…一瞬、アナタはオオカミでしょう。と言おうとしたけどやめた。



「アナタは…」
「うん」



「イヌ」



一瞬ディーノはきょとんとした顔をする。

そして、すぐに大笑いを始めて……




「なに?何か悪い?」
「いや……っ…別に。…オレがイヌ…ね…アハハ」
「咬み殺そうか…?」
「ごめんごめん」



笑いながら謝るディーノに本気で殺意が沸いて来るけど、とりあえずは抑える。



「恭弥は猫だよ、動物だったら」
「なんで?」
「自由気儘だから」
「…否定はしない」




確かに考えたら、僕は動物に例えると猫かもしれない。



自分自身でそう思ったら……




「何かムカついてきた」
「何で!?」



ディーノがびっくりする。




自覚するなんて、一番嫌な行為に入るのに……




「ディーノのバカ」
「何でだよ」
「知らないよ。知っててもキミには教えてあげないから……じゃあね」




そう言って、僕は応接室を出た。




ディーノが後を追ってくる音が聞こえる。




それを聞いた僕は少し早歩きで歩き出した。








なるほど。








好きな人ほどイジメたくなるのも…



猫の特性の一つだ。






□END□

猫の特性をサイトで見ると、本当、猫=雲雀ってイメージが離れません。