はっきり言って、オレは10代目に尊敬以上き愛情を含んだ気持ちが芽生えている。



…でも、10代目にとってオレは、どういう存在なんだろう。



ふと、そんな事を考えてしまった。






++コトバ ニ タトエルナラ ソレハ++






「10代目。話があるんですけどいいですか?」
「うん、いいよ獄寺くん」



いつもの帰り道。

オレは意を決して10代目に聞いてみる事にした。



オレが問い掛けると、10代目は笑顔でオレに返事をしてくれた。

でも、次にオレがいう言葉に10代目は、どんな顔をするのだろう。




「話って、何?」
「あの……」



「オレは10代目にとって、どういう存在ですか?」



「え……」



やっぱり10代目は驚いた顔をしていた。


そりゃあ、こんな質問をすると、誰だってビックリするに決まってる。


「獄寺くんは…」


オレと視線を合わせない様に、10代目は呟いた。


「オレの大切な友達だよ」


オレは、その言葉を聞いて笑った。


そうだよな。


10代目にとってオレは、友人の一人に過ぎないのだろう。



「でも、それは」



納得しかけた時、10代目が呟いた。


「この前では確かにそうだったんだ。獄寺くんはオレにとって親友だって」
「10代目…?」
「でも今は…違う感情があるんだ。何ていうか、不思議な…何て言えばいいんだろう」
「それってオレが10代目の右腕としてって事ですか…?」


そう言うと10代目は横に首を振る。


「そういうんじゃなくて…、その…何か、ここがモヤモヤするんだ」


10代目は自分の胸に手を当てる。



「山本とかリボーンとかシャマルとか…皆と楽しそうに話している獄寺くんを見ると、
…オレ以外と喋ってる獄寺くんを見ると…モヤモヤしてムカってなっちゃって…」


変でしょ?何て苦笑しながら10代目が言った。



……何でここが町中なんだろう



人がいなかったら、今すぐにでも10代目を抱き締めるのに。




ねぇ10代目。


オレ…かなりうれしいです。


10代目がオレの事、そう思っていてくれてるなんて


10代目はその感情…気持ちが何なのか気付いて無いでしょう?





「10代目」
「ん?」
「その感情が何なのか、オレ、知ってますよ」
「本当?」
「はい。オレと同じですから」




その感情
その気持ちはですね




言葉に例えて言うなら…






■END■

甘いのを目指したはずが……