++ 花 ++




「恭弥、いるか?」



「……いるけど、何?」


放課後の学校。
場所は応接室。


雲雀恭弥の絶対領域的なこの部屋にやって来る人は、風紀委員以外には非常に少ない。


その少ない人数の中で、ノック無しにドアを開ける人物は一人だけ。



そう、ディーノだ。




「良かった。この部屋にいてくれて」


そんな事を言いながら部屋に入るディーノの右手は、なぜか後ろに。




……何か隠してる?



雲雀は直感的にそう思った。



「ディーノ」
「何?」
「後ろに隠してる手、何を持っているか僕に見せて」
「あぁ、これか?」



ディーノは雲雀に近付いて、後ろに隠してる手を雲雀の前に出した。


「恭弥へ、俺からプレゼント」


そう言って、出した手が持っていた物。


それは……


「……桜?」


桜の花が沢山詰められている花束。


「どうしたの?これ」


雲雀が聞くとディーノは照れた顔をしながら



「恭弥の誕生日プレゼント」



そう言われて雲雀は、ふと思った言葉を口にした。






「僕の誕生日、来月なんだけど」






「……」




その言葉にディーノは笑顔で固まる。


そして、出てくる冷や汗。




「…そうだっけ?」
「そうだよ」


ディーノは何やら叫んで。



冗談だと思ったけど、彼は本当に雲雀の誕生日を間違えたらしい。


雲雀は、そんな態度のディーノを見て、笑った。


「ーーでも」



「嬉しい。ありがとう」



そう言って、固まっているディーノの手から花束を取って、備え付けの給湯室に向かった。


「恭ー弥♪」


花瓶に花を入れてる時、妙に上機嫌になったディーノが抱き締めてきた。


「ーー…離して」
「少しだけ、な」


耳元で言われるのは、苦手だ。


しかも、今の自分の顔を見られたくない。


雲雀は、今の自分の気持ちをディーノの気付かれない様に作業を続ける。





「…もう勝手にして」






ーー本当は凄く嬉しかったーー


ーー何て、絶対に言わないけど。ーー


ーーでも、今日だけだよ?ーー


ーーディーノの行動、文句言わない事にしてみようーー


ーー本当に、今日だけ、だけど。ーー




■END■

いや、なんて言うの?
雲雀さんは桜が好きだからさ……

すいません不完全燃焼です。

こんな駄文を読んでくださりありがとうございました。