+バレンタイン・デイズ+ ピオジェイ編 「ジェイド〜、いるか〜?」 そう言って執務室にノック無しで入ってくるのは、幼馴染みの陛下ただ一人。 しかも、いつも以上にご機嫌な態度で陛下はやって来た。 「なんの用ですか?」 本当この忙しい時に来るなんて、と嫌味を言っても、今日の陛下には効かなかった。 というか、聞いていない。 「ジェイド〜、今日は何の日か知ってるか?」 陛下に言われて、仕事をしていた手を休めて机にあるカレンダーを見る。 「…………」 ………しまった。 忘れていた。 今日がバレンタインという事に。 陛下の事だから、今日という日を楽しみだったに違いない。 私も、とりあえずはあげますよ、なんて陛下に口言してしまったからには、 用意しなければいけなかったのに。 ここ最近忙しかったから…と言っても陛下はふてくされるんでしょうね…。 「ジェイド…?」 黙っている私に、陛下は心配そうに私を見ていた。 「いえ…なんでもないです。ただちょっと…」 「ちょっと…?」 …仕事が忙し過ぎて用意するの忘れました。 そう言うと陛下は、凄く落ち込んだ顔をしていた。 「…そう、か」 「すみません…」 正直に言って謝ると、陛下は気にするなと言って、いつもの顔で私を見た。 やっぱり、申し訳なくて… あ。良い事思いつきました。 これはどうでしょうか。 「それでは、本当に申し訳ないので…」 「ん?」 これから言う言葉に陛下はどういう反応をするのだろうか… 「代わり、といっては何ですが…」 私は陛下の耳元で囁く。 こんな言葉は普段なら絶対言わないんですけど。 こんな日には、 言ってみてもいいですよね…? ―今年のプレゼントは私、という事でいいですか…?― ■END■ +あとがき+ バレンタインなので… 雪国幼馴染みいいですね! 最初はジェイディスにしようとしましたがピオジェイにしました☆ ピオディスもいいんですけど…ネタが… 読んでくださりありがとうございます! …本当に感想とかくれると、次への活力に…(殴