+自分と言う存在意義。+



眠ったり、食事をしたり、好きな人と一緒にいる事……
そんな当たり前の事をこなす事を幸せと感じるなんて
屋敷にいる時は感じたこともなかった。



俺は隣りで眠っているガイを見る。



「俺はあと何回ガイの寝顔が見れるんだろうな…」
「バカな事を言うな、ルーク」



寝ていたはずのガイが呟いた。



…起きていたんだ。
ガイがゆっくりと目を開ける。


「ガイ…」
「ルーク、また変な考え事、していたな」
「……」


俺は何も言えない。
だってガイが言ってる事は本当だから。


「大丈夫だ」
「え…?」


俺が不思議そうにガイを見たとき
ガイは笑った。


まるで俺を安心させるかの様な微笑みで


「お前は大丈夫だから…」


そう言うとガイの瞼が段々落ちていく。




…もしかして半分寝ぼけてたりした、とか?



「ガイ…」


俺は寝息を立てているガイを見て微笑する。
寝ぼけているとはいえ、一番大切なガイにまで心配かけるなんて…


変わるって皆の前で約束したのに…。
俺は、また…


「心配かけてごめんな」


もうガイには心配かけないから。
いや、皆にもだけど…
俺は、もう絶対に、そんな変な事を考えたりしないからさ…




…でも今日だけは




今日だけは




この二人きりの時間を、大切に思わせて…





□END□
完全燃焼。俺はもう燃えカスです。