この屋敷に来た時、最初に思ったこと。 それは この手でファブレ家に復讐をする・・・・・・ +アカイモノ+ ファブレ宅のルークの私室。 「っあ・・・・・・ガイ・・・」 「・・・・・・ルーク」 淫らによがる貴方は何も知らずに生きていて。 そんなお前を貪る俺は復讐の為に生きていて。 「も・・・だめ・・・っ」 「・・・・・・俺、も・・・っ」 一緒に迎える絶頂感。 荒い息のまま、ベットに倒れて・・・ 無防備な君のその首に 何度、手を掛けようしたか・・・・・・ お前は、俺がそう思ってるなんて知らないだろ? この行為だって最初はお前を殺す機会が増えるから始めた事なのに・・・・・・ 何で、こんなにお前をいとおしく思えるようになったんだろう・・・・・・ この頃は目的すら忘れる様になった。 「ガイ・・・・・・」 ベットでうつ伏せになりながらお前は俺の名前を呼んだ。 「どうした?ルーク」 「・・・俺を、殺さないのか?」 ボソッと呟くお前に俺は驚いた。 ・・・知ってる? ・・・知ってたのか? 「ルーク・・・」 「俺・・・いいんだぜ?ガイになら殺されても」 そう言ってお前はサイドテーブルにある果物ナイフを手に取った。 「おいルーク、何を・・・・・・!」 全部言う前に、お前は自分の首にナイフを持っていき、そして、皮膚を切った。 首から下へ、大量の赤い血が流れていく。 痛いはずなのに、お前は笑っていて・・・・・・ このままだと出血多量で死んでしまう・・・ ・・・・・・でも、これは形が違うけれど、ファブレの人間が死ぬ・・・ 復讐完了だ。 でも、 それなのに俺は 必死にルークの首を抑えていた。 血が止まる様に・・・・・・ 「おまっ・・・なにしてんだよ!」 必死に・・・ 必死に・・・ でも、止まらなくて 俺の手から溢れてきて・・・ 「なぁ・・・ガイ」 俺の胸に体を預け、ルークは擦れた声で呼んだ。 「俺・・・な、ガイが復讐しようとしてるって感づいた時、 こうやってガイの胸の中で死のうって思ったんだ」 いつもの笑顔で俺を見る 「ガイの事が大好き・・・だから・・・」 ルークの目が閉じ始めてきた。 シーツが真っ赤になっていく 俺も、赤くなっていく。 「ガイは・・・?俺の事、好・・・き・・・?」 返事を言う前にルークの目が、完全に閉じた。 「おい、ルーク!」 揺すっても起きない。 ・・・こんな形で、復讐が完了してしまった。 こんな事って こんな事ってありなのか・・・? 『復讐が完了したら』 ふと、昔に考えた事が蘇ってきた。 -逃げられる自信はない。ならば復讐が完了した時は- 「・・・自分で自分の命を絶つ・・・か」 俺はお前が握っていたナイフを手から取り、自分の首へあてがう。 そして潔く、ナイフを滑らした。 自分とルークの血が混ざる。 -だって、しょうがないじゃないか。- -お前がいない世界は俺の世界が無いも同然なんだから・・・- あー・・・段々意識が遠のく感覚がする。 「・・・ルーク」 少しだけ冷たくなったキミを抱きしめる。 「俺は、ルークの事が好き、じゃない」 そう言って、動かないルークに微笑んだ。 「俺は・・・俺はな、好きじゃないけど、お前のこと愛してる・・・んだ」 ルークに口づけると、俺は意識を段々手放していった。 □END□ +カンソウ イウ ナ ノ ニゲミチ+ 一度は書きたかった話。 痛い話でごめんなさい! 個人的には甘いガイルクが好きなんですが! いざ、描こうとするとこんな話ばっか浮んでくる自分にムカつきますな。