込み上げる幼い記憶 それは尊敬していた先生 先生は幼い私に微笑んでくる その笑顔はとても素敵で 優しくて…… でも口を開いた先生は私にこう言う 『どうして私を、もう一度生き返らせてくれないの?』 =メモリー= 「…夢、か」 仕事中に寝た事と自分のやってきた過去の愚かさに頭痛がしてきて、思わずため息が出た。 「お、やっと起きたか、ジェイド」 執務室には自分しかいなかったはず。 なのに妙に聞き覚えがある声が聞こえて、私は顔を上げた。 そこには、目の前のソファーに、さも自分の部屋の如くくつろいでいるマルクト皇帝が なぜかいた。 「何で、陛下がここにいるんです?」 「いや、一応ノックして部屋に入ったら、お前、寝てるからさ、ここで待ってたわけ」 「そうですか……」 そう言って、私は中断していた作業に戻った。 しばらくして机に影が現れる。 また顔を上げたら、今度は陛下が目の前に立っていた。 「どうしたんですか?陛下」 「それはこっちのセリフだ」 陛下の顔は真剣で、私は目をそらせない。 「お前、実はまだ先生の事、諦めてないんだろう」 決め付けられたように言われた言葉。 否定したかった。 …でも、否定できない。 「ジェイド…お前は」 「たとえ、諦めてないって言ったら、どうするんですか?」 「……」 冷たい目で。 冷たい声で。 そういう風に言えば、誰も文句を言ってくる者はいない。 現に、目の前にいる陛下も、何も言ってこなかった。 「…俺から言えるのは、これだけだ」 “お前はサフィールのような馬鹿な真似だけはするなよ” 自分の幼馴染みは無茶な事を言う。 貴方だって、好きな人の事になると見境がつかなくなるでしょう? 私も同じなんですよ。 愛する人の為に、私が私自身の手で助けられる方法を ―今も探してるんですから……― ■END■ 痛い話。 ジェイドは、フォミクリーではあんな結果になってしまったけど 絶対に復活を諦めていない。 捏造なそれを前提でよんでくれると嬉しいです